教育評論第39巻第1号
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41フランスの前期中等教育段階における道徳・公民科授業・教材研究(1) ─「自由」をめぐって─ける社団解体の理念」『早稻田法学会誌』第66巻第2号、2016年、141-164頁。(8)この論点については、後日を期して、別の事項を扱った道徳・公民科の授業を手がかりとしつつ、改めて論じたい。なお、フランス国民であるとともにヨーロッパ市民でもあるという二重の市民的アイデンティティの形成は道徳・公民科の課題である。この設問は、この二重のアイデンティティのあいだの関係を、歴史的知識をふまえて生徒たちに考えさせることができる点で、同教科が育成すべきとされるコンピテンシーの一つである「判断力」の視点から、この課題に応えようとするものであると考えられる。道徳・公民科が設定するコンピテンシーについては、鈴木、前掲論文、16頁を参照。(9)現代奴隷制反対委員会HPのオリジナル版画像を転載(Comité contre l’esclavage moderne, « Sensibilisations et formations ». http://www.esclavagemoderne.org/sensibilisations-et-formations/ [2024年7月8日入手])。(10)アイザィア・バーリン『自由論』小川晃一ほか訳、みすず書房、1971年、303-325頁、参照。

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