教育評論第39巻第1号
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②③④⑤⑥⑦DDDDDD「辺境」から考える歴史教育─『世界史探究』におけるラテンアメリカの位置づけをてがかりに─23ロシア革命メキシコ革命ロシア革命メキシコ革命ロシア革命メキシコ革命ロシア革命メキシコ革命ロシア革命メキシコ革命ロシア革命メキシコ革命7 ①はメキシコ革命を扱っていない唯一の教科書である。⑤は19世紀前半のラテンアメリカ諸国の独立からメキシコ革命までを一気に叙述するという、他に類を見ない独特の構成である。第一次世界大戦と諸地域の変容地球を覆う帝国主義と世界諸地域の抵抗アメリカの帝国主義第一次世界大戦と世界の変容帝国主義とアジアの民族運動第一次世界大戦と社会の変容帝国主義とアジアの民族運動第一次世界大戦新国家の建設と世界市場の形成第一次世界大戦の展開と諸地域の変容ヴェルサイユ体制と国際秩序の再編国民国家と近代社会の形成世界大戦の時代世界の一体化の完成とその影響第一次世界大戦第一次世界大戦とロシア革命列強の世界分割と列強体制の二分化第一次世界大戦とロシア革命世界再分割と列強の対立第一次世界大戦とロシア革命ラテンアメリカとカナダ・オーストラリア・ニュージーランド南北アメリカの発展第一次世界大戦と社会主義革命帝国主義と世界分割競争一見してわかることは、1910〜20年代にまたがる両革命はいずれも「大項目D」に含まれてはいるものの、同時代でありながら同じ中項目で扱っている教科書はなく、小項目からも明確なように、ほとんどの教科書はロシア革命を第一次世界大戦との関連で、メキシコ革命は列強・帝国主義(とりわけアメリカ合衆国の帝国主義)との関連で、それぞれ別の文脈で扱っていることがわかる7。このように、両革命には相似性があるにもかかわらず、その「関連づけ」は教科書上ではまったくなされていないと言っても差し支えないのだが、試みに両革命に関する叙述を教科書②からの引用することで、あえて比較してみよう。ロシア革命の叙述[1917年の──筆者補足(以下同様)]十月革命後に開かれたソヴィエトの大会では、戦争の即時停戦と無併合・無償金・民族自決の原則にもとづく講和交渉の即時開始を訴える「平和に関する布告」と、土地の私有権の廃止をうたう「土地に関する布告」を採択し、新政権の重点政策を明らかにした。1918年1月、憲法制定議会の選挙の結果、ボリシェヴィキが少数派となるのをみたレーニンは、ソヴィエト権力への無条件支持をせまって憲法制定議会を強制的に解散させた。(②:306)メキシコ革命の叙述メキシコでは、ディアス独裁体制の打倒と政治の民主化を目指す運動が、自由主義者マデロの蜂起によってはじまり、1911年、ディアス政権は崩壊した。この民主化運動は、農民や労働者をまきこんで全国的に展開され、1917年の革命憲法の制定に結実した(メキシコ革命)。……[革命憲法は]大土地所有の分割に加え、8時間労働制など労働基本権を詳細に規定しており、当時最も民主的な憲法の一つであった。(②:269)

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