教育評論第39巻第1号
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118活動古書探究の旅実際に古書を手に取って触れたり、線装本を作ったりする活動を通じて、子どもが古書を読む楽しさを体験する場を提供。砂盤ゲーム主に6歳から11歳までの子どもを対象としたもので、チームで協力しながら学ぶ機会を提供。また、親子読書のための親向けワークショップも開催。良書の紹介子どもの心身の特徴に合った図書推薦プランと書籍リストを作成し、ウェブサイトやWeChatのコラムで定期的におすすめの本を紹介。子どもが継続的に物語を語り録音し配信する活動を展開。2019年時点で4回のイベントを実施し、42名の子どもが参加。また、オンライン配信を新たに取り入れ、「「雪の子」ストーリー留声機」として22回実施、1,292人が参加。「雪の子」ストーリーハウス小さな図書館員子どもに図書館の役割や機能を理解してもらうための活動。2019年の冬休みには30名の子どもが参加。「私は小さな図書館員」と題した作文コンテストも開催され、320人の小図書館員が参加し、5名が受賞。祝祭民俗活動子どもに中国の伝統文化を学び楽しむ機会を提供。「私たちの祝祭」として元旦や「元宵の灯篭とクイズ」などの一連の活動を実施し、100名以上の子どもが参加。児童図書移動ステーション市内の小学校に児童図書移動ステーションを設置し、定期的に本を更新。また、朗読コンテストや読書鑑賞会などの活動も実施。こども劇場週末にアニメ映画の上映会を実施し、親子で映画を楽しむことで物語に親しむ機会を提供。合計で12回の上映、181名の子どもが参加。出典:全国家庭親子閲読体験基地、ハルビン市図書館ウェブサイト、筆者より整理・作成17図3 少年児童貸出活動センター親子の日常利用の様子(筆者撮影)早稲田教育評論 第 39 巻第1号表2 「雪の子読書成長計画」の読書活動(2019年度)内容図書館では、子どもの読書活動を推進するために、少年児童貸出活動センター(以下、センター)が設置されている。その中で、特に親子向けの読書推進活動を展開するために、2017年に「雪の子読書成長計画(雪孩子閲読成長計画)」が始動し、2019年上半期だけでセンターには83,093人が訪れ、110,691冊の絵本や書籍が貸し出された。また、この期間中に116回のイベントが開催され、合計で3,310人が参加している。2019年6月時点で、「小読者カード」の保有者は7,212人に達している16。以下では、「雪の子読書成長計画」を事例に、親子読書活動を概観していきたい。2.3.2 「雪の子読書成長計画」表2のように「雪の子読書成長計画」における親子向け読書活動は、子どもたちに多様な学びの機会を提供している。例えば、「古書探究の旅」では、古書に触れることで物語の奥深さを

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