教育評論第39巻第1号
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図2.⾝体的有能さの認知に関する(a)自己評価点および新体力テストの結果による分布と   (b)得点差の群間比較(Tukey法)4.2.小学校教師における児童の運動有能感に関する理解状況について、運動能力と運動有能感が一致する児童とそうでない児童との間で差があるかを明らかにするための分析図2〜4の(a)に運動有能感調査の自己評価点と新体力テストの総合評価による児童の分布を示した。自己評価点と他者評価点の得点差を一元配置分散分析により群間比較したところ、有意な主効果が認められた(身体的有能さの認知:F(3,130)=15.6、p<0.01;統制感:F(3,130)=22.9、p<0.01;受容感:F(3,130)=32.3、p<0.01)。第1因子の身体的有能さの認知については、Tukey法により、HLはHH(p<0.01)、LH(p<0.01)、LL(p<0.01)より有意に低値であること、LHはLL(p<0.01)より有意に高値であることが認められた(図2(b))。第2因子の統制感については、Tukey法により、HLはHH(p<0.01)、LH(p<0.01)、LL(p<0.05)より有意に低値であること、LHはHH(p<0.01)、LL(p<0.01)より有意に高値であること、LLはHH(p<0.05)より有意に低値であることが認められた(図3(b))。第3因子の受容感については、Games-Howell法により、HLはHH(p<0.01)、LH(p<0.01)、LL(p<0.01)より有意に低値であること、LHはHH(p<0.05)より有意に高値であること、LLはHH(p<0.05)より有意に低値であることが認められた(図4(b))。103小学校教師における児童の運動有能感に関する理解状況HH:運動能⼒も運動有能感も⾼値である群、HL:運動能⼒は⾼値であるが、運動有能感は低値である群、LH:運動能⼒は低値であるが、運動有能感は⾼値である群、LL:運動能⼒も運動有能感も低値である群、得点差:⾃⼰評価点から他者評価点を引いて算出、**:p<0.01(HLとの⽐較)、††:p<0.01(LHとの⽐較)、‡‡:p<0.01(LLとの⽐較)

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