教育評論第38巻第1号
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註1 教育総合研究所2019年度及び2020年度公募研究部会。2 高瀬雅弘「戦後開拓地における学校と地域社会(2) ─教師たちから見た1950年代の新制中学校3 伊藤日出男「初期新制中学校教育の状況と戦後の地域文化活動 ─秋田県における1事例から─」4 文部省学校教育局『新学校制度実施準備の案内』(1947年)。5 文部省学校教育局『新しい中学校の手引』(1949年、明治図書出版社)。6 兵庫師範学校女子部附属『新制中学校に於ける教育上の諸問題』(1948年)152頁。7 同前書、229頁。8 同前書、229頁。9 同前書、230-231頁。10 同前書、231頁。11 文部省『中学校特別教育活動指導書』(1960年、光風出版)24-28頁。12 同前書、11頁。13 文部省『中学校道徳指導書』(1962年、東洋館出版)14頁。14 同前書、14頁。15 同前書、15頁。16 この点については、本研究部会の成果をまとめた別稿を用意し、詳細に検討したい。17 本項は雨宮和輝「新制中学校の教育課程における教科外活動についての一考察 ─特別活動と他領域との関係を中心に─」早稲田大学教育学会『早稲田大学教育学会紀要』24号(2023年、9-16頁)及び、雨宮和輝「1950年代の新制中学校における特別教育活動に関する一考察 ─千葉県山武郡組合立日源中学校の事例を中心として─」『早稲田大学大学院教育学研究科紀要』別冊、31号-1(2023地域における教育実践は、各自治体の教育指針の影響を受けながらも、地域において独自の指導指針・方針を設定しようとしていたことがわかった。そして、指針や指導書を通じて一定の枠組みが示されつつも、実践においては地域の特色を生かし、地域独自の方針で生徒に対する指導を考案することを通じ、地域社会を支える人材を育成しようとする姿勢も窺えるなど、新制中学校の教育実践が、地域と密接に関連付けられながら進められていたことも明確となった。以上、本稿では新制中学校における教育実践について、それがどのような方針のもと、いかなる形で実践されたのかを分析してきた。戦後、文部省をはじめとして刊行されていた指導書や書籍に示されたような指針・方針のもとで、実際の地域でもそれに倣った形で方針・指針が設定されていた。しかし、それが地域ごとの事例として、徐々に独自性のある形へと形成されていき、各地域に合った事例の中で生徒に教育を実施していこうとしていたことが徐々に明らかになりつつあったと言える。今後は、本研究部会の成果を発展させつつ、新制中学校に関するさらなる実証的な研究を進める予定である。特に、本研究の課題である地域と新制中学校の教育実践の関連性について、より詳細な分析をしつつ、対象地域の範囲を広げ、各地域が中学校での教育を通して、どのような生徒を育てていくことを目指していたのか、より総体的に明確にすることを目指したい。172と開拓地─」『弘前大学教育学部紀要』122号、23-35頁、2019年10月。『青森県立保健大学紀要』巻1号、1-16頁、2000年3月。

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