〈「言語文化」 中国古典作品を含めた全漢文教材・作者別順位と主な採録作品〉 〈「言語文化」日本漢文教材・作者別順位〉合」及び選択科目「古典A」・「古典B」の採録作品と重複しており、「日本漢文」の採録状況を見ても、従前の選択科目で扱われていた作品が多い。次に、実際の採録作品を採録数の多い順に示しながら概観してみたい。まずは中国古典を含めた全漢文教材の状況を示す。(調査対象は、2022年(令和4年)4月から使用開始された全ての「言語文化」の教科書(9社17点)8である。)1位 (孔子「論語」) 186点 2位 曽先之 34点 「十八史略」 3位 杜甫 27点 「春望」「月夜」 4位 李白 25点 「静夜思」「黄鶴楼送孟浩然之広陵」5位 劉向 20点 「借虎威」「蛇足」 6位 王維 16点 「送元二使安西」「鹿柴」7位 白居易 13点 「香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁」「八月十五日夜、禁中独直、対月8位 柳宗元 12点 「江雪」「黔之驢」9位 孟浩然「春暁」「過故人荘」、 杜牧「山行」「江南春」各11点11位 韓愈「雑説」、王翰「涼州詞」各9点今次改訂で「日本漢文」の適切な活用が求められたものの、上位に日本人は一人もあがっていない。「言語文化」の漢文教材の多くが、従前のものを引き継いでいるのだから当然のことなのだが、従来、漢文の授業といえば中国古典作品を学ぶ場であったことが再認識される。では、「日本漢文」に限定するとどうなるのか。同じく2022年(令和4年)4月から使用開始された「言語文化」の教科書では、27点ほどの「日本漢文」が見られる。これらについても採録数の多い順に示し、主な作品を付す。1位 菅原道真 7点 「不出門」「読家書」「謫居春雪」 2位 頼山陽 6点 「信玄と謙信」(『日本外史』) 夏目漱石 6点 「題自画」(一部新規)9「春日偶成」4位 広瀬淡窓 5点 「桂林荘雑詠」 菅茶山 5点 「冬夜読書」6位 正岡子規 4点 「送夏目漱石之伊予」 原念斎 4点 「野中兼山」 中野逍遥 4点 新規 「道情」以下、貝原益軒・石川丈山・荻生徂徠・月性など80憶元九」
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