Pが語ったように、育児の決定権は母親が持つのは第3世代の女性へのインタビューの中でよく見られる。Oは共働き家庭なのに、子育ての養育、教育の決定権もほとんど母親である自分が持っていると語った。しかし、「育児上の責任を95%占めている」自分の子育て方に対して、夫から無理解な態度を取られて、それに対するOは不満を語った。32「子育ての決定権は必ず私が持っている。夫は子どもと一緒にいる時間は私より少ないので、子どもの性格や需要はよく知らないね。私はよく夫に相談する。『子どもと一緒にいる時は絶対にスマートフォンを見ないとか。』毎回、彼は『わかった!わかった!』とちゃんと答えてくれたのに、子どもと一緒にいる時はまたスマートフォンを見る!なので、父親が育児するのは無理でしょう。まあ、それも理解できるわ。夫は毎日仕事しているので、職場にもいろいろなことがあるじゃない。家に帰ってからはもう疲れたので、子どもと遊ぶ精力はそんなに多くはないね。それは理解できる。」(P)「夫は、私は息子に厳しすぎると思っている。彼は『子どもに任せればいいじゃない』といつも言っている。彼は子育てしていないのでわからないよ!息子がテストで低い点数を取った場合、私はすぐ先生から学校に呼ばれて、注意された。その時はすごく焦った。」(O)子育ての責任は自分だけに集中し、夫も協力的に育児参加しないOは、「時々、子どもに感情的に怒鳴ってしまった」と語った。「私はもちろん、子どもに安定して生活を楽しめる人に育ってほしい。しかし、現実には、それは容易に実現できない。息子が宿題をうまくできなかった時、私も時々我慢できずに、感情的に怒鳴ってしまったこともある。彼に泣いたり叫んだりさせられた。」(O)育児の母親中心化が進む現在の中国家庭においては、専業主婦であれ、共働き家庭であれ、育児の決定権のほとんどは母親が持つことが今回のインタビューから確認できる。このようにして、育児の責任は女性だけに集中している結果、彼女たちの子育てストレスを溜めるのは容易に想像できるだろう。③ 「科学的育児」規範に支配されている子育てスタイル陶艶蘭は、21世紀の現在中国において、母親になるのは「専門性がある仕事」と捉え、母親の役割を子どもの情緒的ケアと心理的ケアの双方に配慮し、競争社会に適応できるような人材を育成するとともに、心が豊かで幸せな生活を送れるように育てるべきであると指摘している28。今回の調査対象者全員は、「科学的育児」規範を受容しており、中ではPとRは、子どもが生まれる前にすでに「育嬰師29」資格を持ち、子どもが生まれた後でさらに「月嫂30」を雇って、「科学的育児」を徹底するような様子が伺える。「子どもが生まれた前、私はすごく自信を持った。なぜなら、私は以前、職場で開いた『育
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