早稲田教育評論 第37号第1号
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でICTを活かすのみならず、AIやプロミングに興味を持つ学生を指導している。 (2)研修実態 3.日照市の小中学校におけるICT施設と環境の整備状況表2 インタビュー対象のICT活用状況マイクロソフト・オフィス、学校のプラットフォーム、SNS(DingTalk、Wechat)190授業前授業中授業後クラス管理・学生評価学校のプラットフォーム、SNS(DingTalk、Wechat)学校業務(保護者との)情報共有SNS(DingTalk、Wechat)、「校訊通」まず、日照市におけるICT基礎施設、環境の整備の基本状況をハードウェアとソフトウェアという2点から述べていきたい。まず、ハードウェアとしては、上述の教員用・学生用PCの以外に、マルチメディア教室、デジタル閲覧室、録画教室、キャンパステレビ、キャンパス防犯システム、「遠隔教育」の設備なども整備されている。ソフトウェアとしては、オンライン学習のための教育資源共有プラットフォーム(「日照智慧教育雲」など)、教員管理システム、生徒評価・管理システム、学校連携アプリ(家と学校のリアルタイム・コミュニケーションのための「校訊通」など)がある。そして、例えば、香河実験学校29では、スマート授業の実践が展開され、導入されたデジタル黒板とタブレットPCは授業の効果を大きく上げたことが明らかになった。教員はデジタル黒板で授業用の映像資料を展示したり、教科書の内容を映したりすることができる。学生は、タブレットPCを通じて、メモを取ったり、練習をしたりする。そして、嵐山実験小学校30では、専門の教員からなっている「AIとプロミングの課程開発グループ」は、小学校2年生から4年生までに向けた「プロミング入門」、「LEGO EV3」の授業と、5年生に向けた「プロミング課程」を開発した。また、学校では、AIサークルが設立され、キャンパス科学技術祭も行われている。 4.日照市の小学校教員のICTの活用状況と研修実態 (1)活用状況小学校の教員はICTを授業実施、クラス管理・学生評価、学校業務、保護者との情報共有などに活かしていることが明らかになった。教員は、授業の効率を上げることにICTの大きな役割を認めている。W先生は、自らの授業日照市の小中学校では、ICTに関する研修活動が多い。場所は校内、大学、研修センターなどであり、形式はオンライン研修と研修後の操作実践を含めている。効果については、教員の授業指導力を向上させることが一番強く認められた。実は、教員のICTリテラシーを向上させるICT活用状況マイクロソフト・オフィス、百度文庫、101教育PPT、デジタル教科書、PR、Sketchpad、インターネットの資源PPT、デジタル教科書宿題支援:「作業幫」(小中学生のための全科学習の補導を提供するアプリ)学習記録(出席・採点など):SNS(DingTalk、Wechat)、インターネットの資源出所:インタビューデータより筆者作成

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