早稲田教育評論 第37号第1号
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6−2.学校外での各種活動(通塾および課外活動)への参加と学習時間図6 通塾×課外活動別 平日の平均学習時間(時間)図5から、通塾をしている生徒の方が、課外活動を2つ以上かけ持ちしている割合が高いことが明らかになった。2種類以上の課外活動をかけ持ちする生徒の割合を比較すると、通塾なし群は14.2%、通塾あり群は20.3%であり、通塾にも課外活動にも積極的に取り組む群が確認された。つまり、附属・系属校生内に学校外での学習(通塾)と余暇の充実(複数の課外活動への参加)の両立を図っている群がいることがわかった。上記より、学習にも課外活動にも積極的な生徒がいることは確認できたが、通塾の有無と課外活動への参加有無は、生徒の学習時間にどう反映されているのだろうか。その点を明らかにするために、本節では附属・系属校生を「通塾なし×課外活動あり」(課外活動のみ群)、「通塾なし×課外活動なし」(無活動群)、「通塾あり×課外活動あり」(両立群)、「通塾あり×課外活動なし」(通塾のみ群)の4群に分け42、それぞれの平均学習時間を比較する。4つの群の平日の平均学習時間(図6)と週末の平均学習時間(図7)を、下記のとおり示した。4つの群の比較をする前に、図6と図7の前提となっている「通塾あり」群と「通塾なし」群の学習時間の平均について言及しておく。通塾あり群となし群の学習時間を比較したところ、平日の平均学習時間は通塾あり群で2.10時間、なし群で1.30時間、週末の平均学習時間は通塾あり群で2.62時間、なし群で1.76時間と、いずれも通塾している生徒の方が学習時間が長く、統計的に有意であった43。平日の平均学習時間を4つの群で比較したところ、通塾も課外活動もしていない無活動群で1.2時間44、課外活動のみ群で1.36時間45、通塾のみ群で2.12時間46、両立群で2.09時間47となった(図6)。各群の平日の平均学習時間の差異を確認するために分散分析を行ったところ、有意な差が示された(p<.001)48。図6から、通塾なしの「課外活動のみ」群と「無活動」群との比較では、課外活動のみ群で学習時間が0.16時間長い結果となり、統計的にも有意であった(p<.01)。つまり、学習塾に通っていない生徒については、課外活動に参加している生徒の方が全く参加していない生徒よりも平日の学習時間が長い傾向が確認された。一方で通塾ありの群においては、課外活動に参加していない「通塾のみ」群の方が通塾も課外活動もする「両立群」よりもわずかに(0.03時間)学習時間が長かったものの、有意差は見られなかった。このことから、学習塾に通っている生徒につい**p<.01153課外活動のみ群**

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