5.課外活動への参加と学習時間5−1.平均学習時間図2 男女別の課外活動への参加***p<.001以上の結果から、学研調査と同様に附属・系属校生についても男子がスポーツクラブ、女子が音楽教室をはじめとする文化的活動に参加する傾向が高いことが明らかになった。これは、附属校においても「課外活動に対する男女差」が存在していることを示唆している。ただし、スポーツクラブの男女差について、学研調査では男子12.3%、女子4.4%と男子の方が3倍近くスポーツクラブへの参加率が高かったのに対し、本調査では男子22.3%、女子15.8%とその差が縮小される傾向が確認された。同様に音楽教室についても、学研調査では男子2.7%、女子7.7%と女子の方が3倍近い参加率であったのに対し、本調査では男子7.9%、女子15%とその差は約2倍にとどまった。これらの結果から、附属校においても課外活動における男女差は存在するものの、男子が音楽教室、女子がスポーツクラブに参加する場合も少なくなく、一般の高校よりも男女差が縮まる傾向が示唆された。ここまで、附属・系属校生の課外活動への参加について、一般の高校生のデータと単純集計結果を対照しながら分析してきた。では、課外活動に参加している生徒とそうでない生徒では、学校外での学習時間に差があるのだろうか。次章では、表2で用いた基準34を採用し、附属・系属校内部の分析、すなわち附属・系属校生の課外活動への参加と不参加の各群と学習時間との関係を見ていく。本章では、はじめに附属・系属校生の平日および週末の平均学習時間を提示し、次に課外活動への参加と学習時間の関係を検証する。これまで、ベネッセ調査や学研調査のように、高校生の課外活動への参加有無と学習時間を単独で調査した先行研究はあるものの、課外活動への参加と学習時間との関係を考察した先行研究は管見の限りない。本章では、課外活動への参加有無による学習時間の差について言及することで、附属・系属校生の課外活動への参加と学習時間の関係について検討する。まず附属・系属校生の平日と週末の学習時間を表3に提示する。本調査では、学習塾や予備校を含む平日および週末の学習時間を7件法35で尋ねた。なお、平日の平均学習時間は1.57時間(SD=1.281)、週末の平均学習時間は2.06時間(SD=1.689)であった。149
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