4.3.学校外での活動への意欲「大学院進学を希望する生徒と、大学学部までの進学を希望する生徒では、学校外での活動への意欲に差異があるのか」図4 探求学習への意欲(発表会の経験別)した生徒においては、大学学部までの進学を希望する生徒よりも、大学院への進学希望者のほうが、探求学習への意欲が下がる傾向がみられた(p<.05)10。また、図4の「探求学習の発表会 なかった」と「探求学習の発表会 あった」のグラフを見比べると、探求的な学習に関する発表会に参加することは、大学学部、また修士課程への進学を希望する生徒にとっては、探求学習への意欲を上げるものの、博士課程への進学希望者にとっては逆に探求学習への意欲を逆に下げてしまう可能性があるとみることができる。前項で、博士課程への進学を希望する生徒は、学校行事には積極的ではない傾向があることを示したが、探求的な学習に関する発表会を、「探求学習に関連して集団で行う学校行事」として捉えれば、自分の興味があることには意欲的な博士課程への進学希望者は、グループで行われることも多いであろう探求的な学習に関わる発表会を経験することで、本来、自分の興味関心に基づいて行われる探求学習において、自分自身の興味を優先しづらくなり、探求学習に意欲的に取り組まないという傾向をみせるのではないかとも考えられる。では、大学院への進学を希望する生徒は、学校外での活動に意欲的に取り組んでいるのだろうか。ここでは、図書館(学校図書館)利用も含め、スポーツクラブ、学外ボランティアや、ミュージアム訪問などについて確認する(図5)。図書館については、1週間に1回以上利用すると回答した生徒の割合を、また他の項目については、半年に1回以上参加すると回答した生徒の割合を示している。各項目においてχ²検定を行ったところ、スポーツクラブ以外の項目で有意な差がみられた(すべてp<.001)。133
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