早稲田教育評論 第37号第1号
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(2)探求的な学習に関する発表会参加と探求学習への意欲図3 教科学習、探求学習等への意欲・態度は、教科内容を面白いと思い、興味があることに意欲的であるためとも考えられ、修士課程までを希望する生徒よりも、博士課程を希望する生徒の方がその傾向が強く示されている。しかし、「学校行事に積極的」については、大学学部までの進学を希望する生徒のほうが高い値となっており、修士課程、博士課程を希望する生徒は、それに比べると「学校行事に積極的」ではない傾向がみられる。また、「探求学習に意欲的」については差異がみられず、大学院への進学希望者が、探求的な学習に意欲的に取り組んでいるとは言えないことが示された。大学院進学希望者は、教科学習が面白いと思っており、興味があることにも意欲的である一方、なぜ、探求学習にはそれほど意欲的に取り組んでいないのだろうか。その理由として、学校で探求学習を行ったとしても、その探求学習の成果を発表するような場がないのであれば、探求学習に意欲的に取り組むことにつながらないということも考えられよう。そこで次項において、探求学習への意欲と、「探究的な学習に関する学校外での発表会やコンテスト」への参加経験との関連に着目し、探求学習への意欲について追加分析を行う。本項では、「探究的な学習に関する学校外での発表会やコンテスト」への参加経験に着目し、探求的な学習に関する発表会への参加がほとんどないと答えた生徒(2,878名)と、年に1回以上あると答えた生徒(249名)に分け、探求学習への意欲について、大学学部、修士課程、博士課程の3グループで比較した(図4)。その結果、探求的な学習に関する発表会に参加しなかった生徒では、探求学習への意欲についてグループ間の差異はほとんどないものの、発表会を経験132

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