%博士課程 では次に、大学や大学院への進学希望と、教科学習や探求学習などへの意欲との関連について(3)希望学部への進学のための頑張りと学習時間4.2.大学・大学院進学希望と教科学習・探求学習への意欲「大学院進学を希望する生徒と、大学学部までの進学を希望する生徒では、学校での教科学習や探求学習などの意欲に差異があるのか」(1)教科学習、探求学習などへの意欲表3 希望学部進学のための頑張り修士課程や博士課程への進学希望者は、希望学部に進学するために、頑張って勉強しなければならないと思っており、その思いが学習時間を増加させているのだろうか。それとも希望学部への進学については余裕を持っているのだろうか。「第一希望の学部へ進学するためには、勉強などをもっと頑張らなければいけないと思いますか」という質問に対して、「そう思う」、「とてもそう思う」と回答した生徒の割合を示したのが表3である。これをみると、博士課程への進学希望者では、希望学部に進学するために、もっと頑張らなければならないと考えている生徒の割合は低い。このことから、大学院、特に博士課程への進学希望者の学習時間の長さは、大学の希望学部への進学を目的としたものではないと考えられる。大学院進学希望者の学習時間の長さは、大学への進学を目的としたものではなく、彼ら/彼女らの学習への意欲が、学習時間を増やしているものとも考えられる。確認していこう。大学院への進学を希望する生徒は、教科学習や探求学習に意欲的に取り組んでいるのだろうか。大学学部、修士課程、博士課程それぞれへの進学を希望する生徒の、教科学習、探求学習への意欲、学校行事への積極性などについて示したのが図3である。ここでは各項目について、「ややあてはまる」「よくあてはまる」と回答した生徒の割合を棒グラフで示している。項目ごとにχ²検定を行ったところ、有意差があったのは、「教科内容は面白い」、「学校行事に積極的」「キャリア関係に意欲的9」、「興味があることに意欲的」であった(すべてp<.001)。特に、博士課程希望者は、「キャリア関係に意欲的」であり、「興味があることに意欲的」な傾向があることがわかる。大学院への進学を希望する生徒は、高校生のときから、教科内容が面白いと思っており、将来のキャリアに関することにも積極的で、自分の興味があることには意欲的に取り組んでいることが示された。このことから、前項で検討した大学院への進学希望者の学習時間の長さ希望学部進学のために頑張らなくてはいけない大学学部修士課程89.486.7χ²(2)=14.387 p<.00113176.2
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