早稲田教育評論 第37号第1号
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(2)学習時間(学年別)図2 学習時間(学年別)グループ間で有意差があった(修士課程と博士課程間はp<.01、他はp<.001)。この結果から、大学院への進学を希望する生徒、特に博士課程への進学を希望している生徒は、高校時代から学習時間が長いといえる。学習時間数を比較すると、博士課程希望者は、大学学部までの進学希望者に比べて、平日で平均約45分、休日では約50分長く学習をしている。これを1週間の学習時間に換算すると、博士課程への進学を希望している生徒は、大学学部までの進学を希望する生徒より、1週間で約5.5時間長く、学習をしていることになる。では、大学院への進学を希望する生徒は、高校1年生のときから長い時間、学習をしているのだろうか。次に学習時間を学年別にみてみよう。大学院進学を希望する生徒は、高校1年次から学習時間が長いのだろうか。大学学部、修士課程、博士課程への進学希望者それぞれの週末の学習時間を、学年別に示したのが図2である。この図からは、どの学年においても、大学学部までの進学を希望する生徒より、修士課程への進学を希望する生徒のほうが学習時間は長く、それよりも博士課程への進学希望者の学習時間が長い傾向があることがわかる。有意差をみると、1年生で、大学学部と博士課程間で有意差があり(p<.01)、2年生では、大学学部と修士課程(p<.05)、大学学部と博士課程(p<.001)で、また3年生では大学学部と博士課程(p<.05)で有意差があった8。博士課程への進学を希望する生徒は、高校1年から3年まで、継続して長い時間学習をしているといえよう。大学進学を自明視している高校生には、大学進学だけでなく、希望する学部への進学のために勉強をするという動機付けがあるものと考えられる。そこで、大学院進学を考えている生徒は、大学の希望学部への進学のために頑張って長時間勉強をしなければいけないと考えているのか、次項で確認しておこう。130

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