早稲田教育評論 第37号第1号
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% 合計(n)100.0(2,358)100.0(1,041)100.0(258)100.0(363)100.0(4,020)0.30.90.41.58.02.33.67.00.00.40.63.12.8表1 希望する大学の教育段階(文系・理系別)大学学部修士課程博士課程その他80.936.976.448.566.3データでも高校生が希望する教育段階と、大学の希望学部との関係について確認しておく。生徒が希望する教育段階について全体の傾向をみると、大学学部までを希望する者は66.3%、修士課程までの希望者は10.2%、博士課程の希望者は3.1%であった。また、希望する専攻別にみると、理系学部への進学を予定している者に大学院への進学希望者が多く、修士課程28.7%、博士課程8.0%であった。他方、文系では、修士課程3.6%、博士課程1.5%となっており、修士課程への進学希望者の割合をみると、理系は文系の約8倍である。本稿では、理系・文系別での分析は行わないが、理系学部への進学を予定する生徒に、修士課程や博士課程への進学希望者が多いことは、実際の大学院進学状況を反映しているものと考えられる。また、前出の高校生を対象とした調査(ベネッセ 2015)では、「無回答・不明」が1.9%であったが、本調査では、希望する教育段階が未定の者は、20%と多い傾向がみられる。それぞれの調査で選択肢が異なるため一概に比較することはできないが、本調査はほぼ全員が大学進学を希望する高校を対象としていることから、高校卒業後に、大学学部まで進学するのか、大学院まで進学するのかを決めかねている生徒が多いことを意味していると考えられる。当該高校の生徒にとって、大学院への進学も選択肢のひとつとなっているものの、何らかの理由で決めかねている者が多いことを示唆するものだろう。また、希望学部が未定の生徒は、大学の教育段階の希望についても未定である割合が高い(48.2%)。次に、同じデータを用いて、学年別に、希望する教育段階を示したのが表2である。未定の生徒、つまり大学学部までの進学を希望するのか、大学院まで進学するのかを決めきれていない生徒の割合をみると、高校1年生では26.5%と4分の1以上であったが、2年生は16.6%、3年生は15.8%と未定の生徒の比率が下がっている。学年が上がるに従って、大学学部までとするのか、大学院までの進学を希望するのかが決まっていく様子が伺われる。128文系 (文学、語学、法学、経済・経営・商学、社会学、国際関係学)理系 (理学、工学、農・水産学、医・歯・獣医学、薬学、看護学、保健学)文理系 (教員養成、教育学、生活科学、芸術学、音楽、総合科学)未定合  計28.710.2未定13.825.614.048.220.0

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