早稲田教育評論 第37号第1号
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幹国暦クイズ住宅雷長城と運河誰もが不可欠団結岳飛第一冊第二冊第三冊第四冊3.『民衆学校課本』の概要説明 961中国人6我が家11職業16孫中山先生1ハエや蚊6七十二烈士11消防16農工商の互助1太陽・月・地球6三民主義11国内の遊歴116賀状1動物・植物・鉱物汽力と電力6我が国の道徳11民国以前の国恥民国以降の傷16新たな道このようなことから、それまでの『千字課』のような民衆の読み書き能力の育成を重要視した民衆教育教科書は、徐々に公民教育の要素が強くなっていったことが読み取れる。1936年、民衆教育館という民衆教育の中心施設の展開が頂点に達していた際に、国民政府の教育部は民衆教育教科書を改訂し、『民衆学校課本』(1936年)という新たな教科書が登場した。この教科書には漢字の読み書きに関する内容のみならず、政治や科学など近代社会の公民として必要な知識も網羅した。『民衆学校課本』は民衆教育館や民衆学校などの教育施設で中心的な教材として使われ、一般民衆を教育・教化する役割が期待された。ここではまず、『民衆学校課本』の教育目標や目次を踏まえて、その内容を整理する。1936年、『民衆学校課本』は「民衆に公民として必要な知識と技能を習得させる」という教育目標に基づいて編成され、民衆の民族意識・愛国心の醸成を中心に、歴史や地理、衛生、自然など幅広いテーマの内容が取り上げられている。その内容は80単元から構成され、一般の教科書より充実していた。合計4冊が発行された。また、『民衆学校課本』は主に民衆学校を代表とする民衆教育施設に使用されたため、その内容編成は民衆学校の学習進度に合わせて設定された。1冊の内容は1ヶ月の学習期間で習得し、合計4ヶ月で4冊が履修できるように計画された。教科書の難易度については、第1冊の本文の文字数は80字以内、第2冊の本文の文字数は150字以内、第3冊の本文の文字数は200字以内、第4冊の本文の文字数は240字以内と設定された。その目次は以下の通りである。表2 『民衆学校課本』の目次読書好空気植林食事水の変化自衛老耄越国の雪辱抵抗中華民族の光栄我々の国家違う肌の色孫家村法律常識国貨領収書道路修築服装健康な体革命の理由田華の村我が国の発明孔子国旗銭大友書付首都禁酒・禁煙国慶合作社交通の進歩日食・月食国民の義務と権利各級政府国内の遊歴2招待状・借用書伝染病地球の水・陸団体の組織土地所有権の平均資本の節制不平等条約防空演習新生活国防救急法花木蘭復習1復習2復習3復習4復習1復習2復習3復習4復習1復習2復習3世界一周復習4皆の福利戚継光復習1農地売買契約書復習2復習3好家庭卒業式の講演復習4

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