(N=1,442)(N=1,313)(N=1,243)(N=3,998)る点も私立X大学の附属校を調査対象とした理由である。調査実施にあたって、調査実施主体『グローバル時代における高大接続に関する研究』共同研究チーム(以下、筆者らとする)が各高校の教員等に調査協力の依頼をし、最終的に調査への協力が得られた学校は6校、うち附属・系属校推薦でX大学にほぼ全入する高校は3校であった。対象の6校はそれぞれ所在地(全入3校のみ関東地域)、共学有無(6校のうち5校が共学で男子校が1校)などの違いがあるものの、共通的な特徴として、6校すべてが受験偏差値上位のいわゆる「進学校」であること、そして、年間の学費が100万円ほどであることから、家庭の社会経済的背景(SES)が高いことが予想されることが挙げられる。質問紙調査は、筆者らが調査票を各校に提供し、教員がホームルーム等で生徒に任意回答を求める形で実施された。調査時期は2019年9月から10月であり、調査内容は、当該校への進学理由、大学進学方法の希望(附属・系属校推薦、一般入試など)、授業以外の学習時間数、大学進学に関する意識(進学のために努力する必要があるか)、学習への意欲、学校外での学習活動などであった。私立X大学の6つの附属・系属高校より4,081人の生徒から回答が得られた。悉皆調査が行われた5校の在学生徒数は4,122人(2019年度)で、調査表配布数4,122票、回収数3,932票、有効回答率は95.4%である。標本調査が行われた1校の回収票は149票と2019年度在校生の1割ほどであった。本研究では、そのうち有効回答票3,998人分のデータを分析対象とする。表1に示すように回答者は1年生から3年生までほぼ均等であり、男女比では男子が約6割と多い傾向がある。附属・系属高校への進学理由について複数選択で回答を求めたところ、最も多く選択されたのは「系列大学への優先入学」(63.8%)で、系列大学に附属・系属校推薦で入学できることが高校への大きな進学理由だと考えられる(11)。また、附属・系属校推薦で系列大学にほぼ全入する学校(「附属・系属校(全入)」とする)(3校)と、系列大学への附属・系属校推薦者が校内選抜される高校(「附属・系属校(選抜)」とする)(3校)の大学への進学方法の希望を学年ごとに示したのが表2である。「附属・系属校(全入)」ではどの学年でも90%以上、3年生で95.8%が附属・系属校推薦を希望する一方、「附私立大学附属・系属高校生徒の学習に関する研究 ─大学進学ルートの違いに着目して─36.8%100.0%100.0%37.5%39.1%100.0%100.0%37.7%753.2.データの概要表1 学年別男女比1年生63.2%2年生62.5%3年生60.9%合計62.3%学年男子女子計
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