早稲田教育評論 第36号第1号
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年0700200051000141200020700203008128202670110500221070204108全体から見ると、「社会力量」の類義語には、次第に多元化の特徴が見られ、「社会力量」(データで初出1954年、以下同様)から出発して、「社会団体」(1982年)、「社会組織」(1993年)、「基金会」14(2006年)、「民弁単位」15(2002)、「公益組織」(2011)、「海外組織」(1995年)、「国際組織・機関・機構」(2010年)、「第三者(機構・機関・組織)」(1998年)、「社会各界」(1998年)「社会参与」(2010年)、(政府、学校、社会などとの)新たな関係(2010年)、ガバナンス(2010年)と多様なキーワードが出現している。表1を見てみると、「社会力量」に関わる語彙は時間の経緯とともに変遷してきたことがわかる。法律の根本法である「憲法」の第一版(1954年)において、「社会力量」がすでに提示され、4444に依拠し、社会主義的工業化と社会主義的改造「(第四条)中華人民共和国は国家機関と社会力量を通して、搾取制度を逐次に解消し、社会主義制度を樹立することを保証する」とされている。ここで、「社会力量」が中国の社会主義制度の設立に重要な力を果たすことへの期待が表明された。これはその後、一連の教育関係法で出現した「社会力量」が注目される出発点となっている。「憲法」(1982年)では、「(第十九条)国家は、集団経済組織、国家の企業、事業組織及びその4444が、法律の定めたところにより、各種の教育事業をおこすことを奨励する」という他の社会力量条文がある。それは、国家が、「社会力量」が教育領域で果たせる役割を意識したことを示している。一方、「社会力量」への警戒心も見られた。「憲法」(1982年)で、「社会力量」が提示された8箇所のうち、7箇所が「社会力量」の行為を規定する条項であり、「社会力量」に義務を課4444、各企した条項である。例えば、「(第五条)すべての国家機関、武装力、各政党、各社会団体業・事業組織は、憲法と法律を遵守しなければならない。憲法および法律に違反するすべての行為は追及されなければならない」とされている。こうした政府の姿勢を受け継ぎ、学校経営においても、「社会力量」の関与を促進する行政法規がだされるようになる。1987年、教育部は「社会力量による学校運営に関する若干の暫行規定」出所:本稿で取り上げられた文書へのデータ分析に基づいて筆者作成ガバナンス合計210社会各界社会参与新たな関係181432015209番号法律・政府文書17教育法2015年教育における管理、運営、評価の分離を深く推進し、政府の機能転換を促すことに関する教育部の若干意見「第13次五ヵ年計画」教育脱貧困攻略計画182015年192016年20中国教育現2019年代化2035合計社会力量社会団体社会組織基金会民弁単位01278375583公益組織海外組織国際組織第三者組織

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