早稲田教育評論 第36号第1号
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M-2: 私たちの社会では子どもたちはとても大切で、彼らは子どもとして重要です。私たちは彼らが大人になるのを待っていません、子どもが子どもである時期が非常に重要で貴重だと思います。そしてまた、私たちは子どもがキアズマで展覧会を企画できる機会を設けるなど、(アートを通して)子どもたちにパワーを与えたいと思っています。 (中略)子どもたちは芸術について話すことができますし、彼らは自分の意見を持っています。子どももできるのです。196このような、現代美術という抽象的なコレクションを子どもに提示することの意義について、同館の教育普及責任者のミンナ(以下M)とワークショップ担当のトゥーヤ(以下T)は次のように語った。子どもがミュージアムで身につける要素として、美学だけでなく「批判的思考、民主的な意思決定、独立した考え方」といった点を挙げ、美術作品に触れる機会を設けることでこれらを育む場としてミュージアムが存在している、というスタッフの認識が明らかになった。これは、子どもにとって重要であるのはもちろん、大人にとってもコミュニケーションによって人間関係を構築するうえで非常に有用な要素である。しかし、ミンナは大人になってからミュージアムを訪れることと、子どものうちにミュージアムを訪れることでは、根本的に意味が異なると指摘した。(同館Webサイトより転載)図4 現代美術館キアズマの乳児向けプログラムM-1: この国では、子どもたちをはじめ、教育、文化、文学、図書館などに投資しており、そうありたいと願っています。しかし、美学だけではなく、批判的思考、民主的な意思決定、独立した考え方も重要だと思います。T-1:少なくとも、私たちはそう願っていて、そのために最善を尽くします。

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