* 森田・阿部(2021年4月)、森田・向後(2020)、早稲田大学(2021)などを参考に作成** 全てオンラインの実施でも各授業形態を組み合わせる併用型(例:初回にオンデマンド型を実施し以降はリアルタイム型)の授業は記載していない同じ専門分野の教員間でも異なる形で学生の参与が期待されており、学生が授業ごとにそのような期待を感じ取れているかについては疑義が生じる。況やそこに「オンライン」という要因が重なった場合にはその学生・教員双方が潜在的に抱え得る違和感はより一層明白なものとなるであろう。このことからもオンラインEMIの実態を調査することは急務であると言える。以上を踏まえ、次節ではオンライン授業の分類やニーズ分析に着目し、本学科のオンラインEAP/EMIを履修した学生の経験をタスクの観点から調査することがなぜ重要なのかに言及し、本研究デザインの布石とする。オンライン授業の普及に伴い、各大学が独自の学習支援システム(Learning Management System; LMS)やインターネット上の各種サービスを用いながら様々な形態で授業を実施している(文部科学省,n.d.)。しかし、その形態は多岐にわたるため、本研究では大学総合研究センターが発表しているオンライン授業の分類を参考に表1を作成した。従来の教室で実施する対面授業に対し、オンライン授業は資料提示型1・リアルタイム型・オンデマンド型の3種類に分類可能である(森田・向後,2020)。また、対面授業とオンライン授業の組み合わせをハイブリッド型と呼称し、その目的に応じてブレンド型とハイフレックス型に分類される(森田・阿部,2021年4月)。これらの選択肢の中から授業内容やその目的に応じた授業形態を導入し、「対話型、問題発見・解決型教育への移行」が本学でも2032年までの中長期計画として求められている(早稲田大学,n.d.b)。168全てオンラインで実施**1回以上対面での実施が含まれる(ハイブリッド)1 2021年度の早稲田大学では学修機会確保のために「資料提示型」が区分から外された5分類(対面、リアルタイム、曜日時限があるオンデマンド、曜日時限がないフルオンデマンド、ハイブリッド)となっており、英語英文学科の開講科目でも同様の区分となっている(早稲田大学,n.d.a)。しかし、本研究では2020年度に実施されたオンラインEAP/EMIの授業を対象としているため、資料提示型もオンライン授業の一種として扱う。LMS上で教材をアップロードして課題を指示し、質問を受け付ける方法パソコンのアプリケーションなどを用いて授業をライブ配信する方法LMS上で事前に収録した動画を配信する方法時間的制約に配慮し、対面の回とオンラインの回を組み合わせる方法空間的制約に配慮し、対面とリアルタイム型で同時に授業を行う方法2.2.オンライン授業とニーズ分析実施要領表1.オンライン授業の各形態*資料提示型リアルタイム型オンデマンド型ブレンド型ハイフレックス型授業形態定 義
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