早稲田教育評論 第36号第1号
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注1 東京都が行った1951年度の「長期欠席児童生徒調査」の結果によると、国公立の中学校で4月から10月まで連続して50日以上欠席した生徒は全部で8,250人、在籍者中の3.4%、断続的に欠席した者も含めると、10,280人、約4.2%にのぼった。長期欠席生徒の外に中学校未就学の者もおり、1949年度には総計4,406人、就学生徒数の1.34%を占めた。(東京都立教育研究所編『東京都教育史』通史編四、1997年、pp788〜789)2 東京都が1949年に行った調査によると、長期欠席生徒8,253人のうち、6,132人経済的理由によるものだった。(「東京都教育概要24年版」また、1953年に文部省は、2,165人の夜間学級生を対象になぜ昼間の学校に行けないか調査しているが、73%の者が家庭の貧困のためと答えている。3 東京都荒川区教育委員会『あらかわ教育時報』第9号、1956年10月、p64 尾形利雄、長田三男共著『夜間中学・定時制高校の研究』(校倉書房、1967年)、塚原雄太『夜間中学』(新報親書、1969年)、松崎運之助『夜間中学―その歴史と現在』(白石書店、1979)、尾形利雄『日本戦後教育史の諸問題』(早稲田大学出版部、1988年)大多和雅絵『戦後夜間中学校の歴史』(六花出版、2017年)木村元『境界線の学校史』(東京大学出版会、2020年)など。5 三上敦史著『近代日本の夜間中学』北海道大学図書刊行会、2005、p216 荒川区福祉事業史刊行委員会編集・発行『荒川区の生活と福祉』、1963年、p6027 同前書『荒川区の生活と福祉』p6038 同前書『荒川区の生活と福祉』p6049 松崎運之助『夜間中学―その歴史と現在』白石書店、1979、p22910 山本実『夜間中学―義務制公教育の空洞化現象』明治図書出版、1969年、pp15〜1611 表現は原文のまま。東京都夜間中学校研究会50周年記念委員会『50周年記念誌』東京都夜間中学校研究会、2011年、p712 「昭和三十年九月一日現在 夜間学級経営概要」東京都足立区立第四中学校第二部、pp15〜1613 前掲書、東京都夜間中学校研究会『50周年記念誌』、p1214 足立区立第四中学校夜間学級が設置認可された際の東京都教育委員会が示した7つの条件と同様のものと考えられる。15 東京都教育委員会編『教育十年の歩み』教育委員会制度実施十周年記念誌、1958年、p15616 東京都荒川区教育委員会『あらかわ教育時報』第8号、1956年6月、p817 東京都夜間中学校研究会協議会編『東京都夜間中学校十四年の歩み』東京都夜間中学校研究会、1964年、p1618 「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案」および「教育公務員特例法の一部を改正する法律案」19 前掲書『東京都夜間中学校十四年の歩み』p1620 同前書『東京都夜間中学校十四年の歩み』pp16〜1721 荒川区立第九中学校夜間学級『五十年のあゆみ』1957〜2007年開設50周年記念誌、2007年、p922 塚原雄太「夜間学級産みの親」『創立25周年記念誌』東京都荒川区立第九中学校、1978年、p1223 荒川区立第九中学校二部『三十年のあゆみ』1957〜1987/創設30周年記念誌、1987年、p8シス」ともなり、生活を保障する意味でも大きく機能していた。これには、学校の校長をはじめ、教員一人ひとりの努力と苦悩が欠かせなかった。いわば、国が対策を取るべき問題に学校側が全力で対処してきたようなものであると考える。162

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