↓↓↓ることができるような問いとしている。これをWiggins and McTighe(2005)は「本質的な問い」と名付け、この問いは転移可能な概念に結びつくことが大切であるとしている。第2段階の評価では、形成的評価と総括的評価、自己評価の3つを入れるために具体的な評価活動を設計すること、第3段階では、どのような学習活動をどのような教材を用いて行うかを示すこととしている。以上の逆向き設計論の考えを整理すると以下のように表すことができる(表6)。批判的思考を育成するうえで注目に値するのが、第1段階において実施される「本質的な問い」の設定である。McTighe and Wiggins(2013)は、本質的な問いには以下の4つが含意されていると定義する。・「私たちが生きていくなかで、時間を超越して何度も起こる重要なもの」(p. 132)・「学問上の核となるもので、観念の中核をなし、探究がなされるもの」(p. 132)・「学習内容の核心に迫るために、どのような観念、知識、技能が必要となるかを考えさせるもの」(p. 132)・「色々な人達の関心を惹きつけるもの」(p. 132)加えて、McTighe and Wiggins(2013)は、本質的な問いについて、包括的な問いとトピックごとの問いの2種類に分類し、それぞれの役割を定義する。トピックごとの問いだけでは知識の転移はなされない一方、包括的な問いだけでは、教科固有の知識に迫ることができないことを説明し、両方の問い立てが重要であると結論づけた(図1)。10第1段階授業で求められている結果あるいは目標の設定第2段階目標が達成できているかどうかを確かめる評価方法の設定第3段階目標と評価に対応する学習活動・内容と指導方法の計画第4段階ミクロな単元設計(単元の指導計画等)とマクロな指導計画(年間の指導計画等)を往復させることによるカリキュラム全体の改善早稲田教育評論 第 36 巻第1号表6.逆向き設計論の4つの段階学習の鍵となる問いを設定形成的評価と総括的評価、自己評価を設計どのような学習活動をどのような教材を用いて行うかを検討McTighe and Wiggins (2013)を基に作成段階何を設定するのか指導上の工夫
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